空に優る景色は地面にしかない

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ニーチェのいない日常

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 恋人がニーチェの話をしていた。というより、論理的思考を全肯定し、非論理的思考を排除することの危うさについて話していたと言った方が良いだろうか。その際出てきたのがニーチェだった。

 ニーチェ……哲学者なのは分かる、なんか日本人にめっちゃウケてるなというのも分かる、そして最近の欧米ではあまり研究がされていないというか、不人気なのもなんとなく知っていた。ニーチェといえば、『ツァラトゥストラはかく語りき』や、『人間的な、あまりにも人間的な』といった著書が有名だろうか。私はその2つしか知らない。アフォリズムを用いて表現されているイメージがある。私はニーチェの著書には一切触れていないので、よくわからないけど、みたいな状態だ。そういえばニヒリズムについて語っていたのもニーチェだった気がする。積極的ニヒリズムとかなんとか。あ、「神は死んだ」の人でもある。あと音楽的にはリヒャルト・シュトラウスに影響を与えていたと思われる。

 ニーチェを読んだことがないというより、哲学書を真面目に読んだことが皆無だった。なかなか無知を貫いているな、私。と驚いた。

 そういえば、ニーチェがどんな人なのか詳しくは知らないし、ニーチェがどんなことを言っているのかも知らない。なんだか損をしているのでは?という気さえ起こってきた。いや、おそらく私が哲学書に触れるとすれば、西洋哲学史あたりからいくと思うので、ニーチェは優先順位的にかなり後になってしまうのだけど、とにかく何かに触れたい気持ちは確かにある。哲学史とか言ってみたけど、実際一番最初に触れる哲学書って何が良いんだろう?入門書とかあるのかな。おそらく自分の興味あるところから入っていくのが良いと思われるので、興味を探してみるけど、哲学的な興味ってなんだろう、マジで分からない。ぼんやり浮かぶのは時間論かなあと思う。現代的な時間論、ベンヤミンの『歴史哲学テーゼ』はめっちゃ気になっているけど、初めてで手をつけていいのかが分からない。そもそも『歴史哲学』を知らないではないか。
 昔、哲学をやっている友達にサラッと「神」という概念を出されてひどく悩んでいたことがある。「私、神知らない」……となった。宗教的な意味でも知らないし、哲学的な意味はもっと分からない、分からない世界が広がっている……。

 私は今、ニーチェのいない日々を生きている。